海外で育った子どもたちが帰国して日本の学校に通う際、さまざまな問題が生じる可能性があります。日本と海外では教育制度や文化の違いがあり、その違いが子どもたちにとっては大きなストレスにつながることもあるからです。
本記事では、帰国子女が日本の学校生活で陥りやすい問題や対策をご紹介します。
帰国子女の基準・特徴とは?
帰国子女にはさまざまな定義がありますが、国が定めている定義は以下の2つです。
「『帰国子女』とは、海外勤務者等の子女で、引続き1年を超える期間海外に在留し、年度間(4月1日から翌年3月31日)に帰国した児童・生徒をいいます。」
「帰国児童生徒」とは、海外勤務者等の子供で、引き続き1年を超える期間海外に在留し、当該年度の4月1日から3月31日に帰国した児童生徒をいう。」
引用元: 文部科学省|「学校基本調査」
つまり、我が国での帰国子女は「親の仕事で1年以上海外に在留し、帰国した子ども」を指します。中学校や高校で数年間留学した子どもは、帰国子女には当てはまりません。
帰国子女が日本の学校で苦労する5の問題
帰国子女が日本の学校で苦労しやすいポイントとなる「言語・交友関係・文化・学習内容・受験」。どの要素も学校生活においては、切っても切り離せない要素です。具体的にどんな部分が帰国子女の子どもたちにとって苦労となるのか、詳しく解説していきましょう。
言語問題
海外で育った子どもたちは、親や友人と英語や現地の言葉でコミュニケーションをと流ことも多く、日本語を使うことに慣れないことも。日本語を知っていても、帰国してすぐには日本語を流暢に話せない可能性もあります。
とくに、本帰国前に日本語を学習していない場合は、日常生活に困難を感じることが多くなります。
交友関係
海外の学校での生活が長くなるほど、帰国子女の子どもたちは現地の友人と深い絆を築きます。そのため、帰国してから日本で新たな友人を作ることにストレスを抱くことがあるでしょう。
また前述した通り、日本語でのコミュニケーションに不安を感じる場合、新しい友達を作ることは容易ではありません。
文化問題
帰国子女の子どもたちは、日常生活における習慣や思考方法が日本で育った子どもたちと異なる場合があります。例えば、海外では積極的に自分の意見を発言することが良しとされる文化があるのに対し、一方日本では意見の違いを感じた時には調和性や協調性が求められます。
中には、日本の文化や日本人の思考方法に合わせられず、ストレスを感じてしまう子どももいます。
学習内容問題
日本と海外では学習内容が異なるため、帰国子女は日本の学校生活で新しい内容を学習することがあります。
しかし、帰国子女に備わっている国際感覚や視野の広さが仇となり、日本の学校生活で習う内容にあまり興味を示さない可能性も。授業内容に興味を持てないことから、全体的に学習進捗に遅れが出てしまうリスクもあるでしょう。
高校受験問題
高校への進学時期、帰国子女はほとんどの高校で一般の受験生と同じ条件で入試が行われます。そのため、言語や学習内容から、高校受験に関して苦労を感じることがあるでしょう。
ただし小学校・中学校の公立であれば問題なく入学できたり、大学では帰国子女枠を設ける学校も増えています。
帰国子女が日本帰国で苦労しないためきできる対策4つ
帰国子女が感じる問題に対して、帰国後苦労しないためにできる4つの対策をご紹介します。
オンライン家庭教師を利用する
帰国子女が日本帰国で苦労しないためにできる対策として、オンライン家庭教師の利用が挙げられます。
オンライン家庭教師を利用することで、日本のリアルな教育情報を入手できたり、オンラインでどこでも受講できるため学校生活やクラブ活動と両立しやすいメリットがあります。
また、オンライン家庭教師はほとんどが個別指導のため、きめ細かいサポートを受けられる点も魅力的です。
日本語補習学校に通う
海外現地で日本語補習学校に通うことも、帰国子女が日本帰国で苦労しないための方法のひとつです。
日本語補習学校に通うことで、オンライン家庭教師だけではまかないきれない日本の学校行事や文化を体験することができます。また、日本語の本を置いている学校も多く、日本語の本を読む習慣をつければ、読解力を上げることもできます。
転校先の学校・先生と事前にコミュニケーションを取る
日本の学校での生活がとくに不安な方は、転校先の学校・先生と事前にコミュニケーションを取ると良いでしょう。転校先の学校・先生と事前にコミュニケーションを取ることで、以下の3つのメリットを享受できます。
事前に学校情報を把握できる
転校先の学校や先生とコミュニケーションを取ることで、学校の雰囲気や教育方針、授業内容などを知ることができ、直接不安を解消できます。
学習面でのサポートを受けられる
転校前の学校で履修した科目や学習内容を共有することも可能です。また、帰国子女が持っている特性や課題についても話し合うことができ、学習面でのサポートを受けることができます。
交流の場を確保できる
転校前に先生とコミュニケーションを取ることで、早期に転校先の学校の生徒たちと交流する機会を作れる場合もあります。結果的に学校生活をスムーズに開始できたり、友達作りを早く進められたりします。
まとめ
今回の記事では、帰国子女が日本の学校で陥りやすい問題と4つの対策をご紹介しました。
子どもたちは海外から日本に帰国する際、多くの不安を抱えています。少しでもストレスを軽減できるよう、家庭やネットワークを活用し、子どもたちの不安や悩みに寄り添うことが大切です。
帰国子女が日本の学校で陥りやすい問題と対策に関して、さらに詳しく知りたい方はEdu.torチューターにもご相談可能です。
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