2020年より小学校3年生からの「外国語活動」、5年生から「外国語」の指導が開始されました。公教育における早期英語教育の開始と目され、「グローバル教育」が社会全体で注目を集めています。
皆さんは、「グローバル教育」と聞くとどんなことをイメージしますか?英語教育をイメージする方が多いのでは。
実はグローバル教育と呼ばれる取り組みにはさまざまなものがあります。社会課題解決力、プロジェクト型の学び(PBL)、プレゼンテーション力など、グローバル教育で求められるスキルは幅広いです。
本記事では、グローバル教育に関連する用語を初心者向けにご紹介します。
なぜ「語学力」が必要なのか?現代社会で求められる語学レベルとは?
現代社会においてなぜ「語学力」が必要とされているのか。また、社会で求められている語学レベルを把握して、グローバル教育を具体的にイメージしていきましょう。
なぜ「語学力」が必要なのか?
現代社会において、なぜ「語学力」が必要とされているのか。社会で求められている語学レベルを把握して、グローバル教育を具体的にイメージしていきましょう。
「語学力」必要な2つの理由
1つ目は、英語ができると多くの情報を手に入れられるからです。実際、インターネットに掲載されているニュースや論文、企業のウェブサイトの情報は9割が英語。日本語しか理解できない場合、社会全体の1割未満の情報しか手に入らないことになります。一方で、英語ができると9倍以上の情報が手に入るのです。
2つ目の理由は、就職や転職の選択肢が広がることです。2017年に発表されたOECD基本データでは、アメリカの大企業は2万6000社に対し、日本の大企業は1万1000社であることがわかりました。
近年では、日本企業のグローバル化、ダイバーシティ化も進んでいます。日系企業でありながら社内の公用語は英語、取引先のほとんどが英語圏という企業も少なくありません。
十分な語学力があれば、子供たちの将来の選択肢が格段と広がるでしょう。
英語はどこまで出来ると良いか?
文部科学省が提唱する、英語教育の重要性や日本人に求める英語力については以下の通りです。
- グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要である。アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべき。今後の英語教育改革においては、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成は重要な課題。
- 我が国の英語教育では、現行の学習指導要領を受けた進展も見られるが、特にコミュニケーション能力の育成について改善を加速化すべき課題も多い。東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020(平成32)年を見据え、小・中・高等学校を通じた新たな英語教育改革を順次実施できるよう検討を進める。並行して、これに向けた準備期間の取組や、先取りした改革を進める。
引用:今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ 文部科学省
目指すべき英語力は「アジアトップレベル」。しかし、2017年に行われたTOEFL iBTの結果を比較すると、日本人の英語力はシンガポール・インド・マレーシア・フィリピン・香港・インドネシア・中国・韓国・台湾・ベトナムより低いのが現状です。
目指すべきは、アジアで最も英語力が高いシンガポールCEFRレベル(Common European Framework of Reference for Languages:英語を含む外国語の習熟度や運用能力を同一の基準で評価する国際基準)のB2。CEFRのB2は、自立した言語使用者を指し、自身の専門分野における議論スキルや明確かつ詳細な文章作成スキルが求められます。
今後は、英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ時代がきます。また、世界単位の課題解決に使われるツールとして英語が使用されるでしょう。
初心者向けに「インターナショナルスクール」を分かりやすく説明
「インターナショナルスクールとは何か」「インターナショナルスクールで学べる具体的内容」を解説します。インターナショナルスクールへの進学をお考えの方は、ぜひご参考ください。
インターナショナルスクールとは?
インターナショナルスクールとは、日本に在住する外国籍の子供たちのために設立された教育施設です。現在は日本国籍の子供を受け入れている学校が増えています。インターナショナルスクールでは、国際的な教養を身につけ、多角的に物事を考えられる教育を目指しています。
インターナショナルスクールで学べること
プロジェクト型の学び(PBL)
プロジェクト型の学び(PBL)は、Project Based Learningの略称で、課題解決型学習を指します。具体的には、子供たちが自らで課題を探し、他者とともに解決策を考える力の習得です。子供の自発性や関心、能動性を育て、プレゼンテーション能力も磨いていきます。
異文化理解
インターナショナルスクールでは、異文化理解能力も深まります。幼い頃から海外の人と交流を通じて、自分と異なる他者を理解し受け入れる力を養ったり、他者との違いを十分に理解することで、自分自身のアイデンティティを改めて認識することも可能です。
「国際バカロレア認定校」とは?プログラム内容や実施校、事例をご紹介
国際バカロレア校は、インターナショナルスクールと思われることが多いですが、実は大きく異なります。グローバル教育を視野に入れている方なら、両者の違いを明確に押さえておきましょう。
「国際バカロレア認定校」とは?
国際バカロレア認定校は、インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与える規定です。1968年に国際バカロレア機構が、子供たちの柔軟な知能育成と国際理解を深めるために設立しました。国際バカロレア機構の本社はスイスのジュネーブ。本部では、カリキュラムの作成や国際バカロレア試験の実施、資格授与などを行っています。
日本では,昭和54年に文部省告示第70号により,「国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する18歳に達した者」が大学入学において、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認定されました。
参考:資料2 グローバル人材の育成について – 文部科学省
国際バカロレア認定校のプログラム内容とは
国際バカロレア認定校のプログラム内容は4つ。
- PYP(Primary Years Programme):精神と身体の両方を発達させるプログラム。対象年齢は3歳〜12歳。
- MYP(Middle Years Programme):学習と社会のつながりを学ぶプログラム。対象年齢は11〜16歳。
- DP(Diploma Programme):大学入学資格(国際バカロレア資格)を取得できるプログラム。対象年齢は16〜19歳。
- IBCP(Career-related Programme):キャリア関連プログラム。対象年齢は16〜19歳。
年齢ごとにプログラムを習得して、グローバルなキャリアを構築していきます。
まとめ
今回の記事では、グローバル教育に関する単語を初心者向けにご紹介しました。
現代はグローバル教育と言っても、さまざまな選択肢があります。グローバル教育をご検討される際は、ご家庭の考え方や子どもの個性に合った選択ができるといいですね。
グローバル教育に関して、さらに詳しく知りたい方はEdu.torチューターにもご相談可能です。