帰国子女やインターナショナルスクール生、日本以外の国にバックグラウンドを持つ子どもたちの進路選択。その中のひとつが「グローバル教育」です。現代では上記のような子どもたちだけでなく日本の公立学校に通っている子どもたちも、学校の制度を利用した留学や、海外大進学を見据えて進路を考えることもあるでしょう。
この記事では、「グローバル教育に力を入れている学校を見極める3つのポイント」をご紹介します。
グローバル教育に力を入れている学校を見極める3つのポイント
学校がグローバル教育に力を入れているか見極める3つのポイントは「英語教育レベルの高さ」「留学制度の充実度」「海外大学への進学人数」。
それぞれの項目において、実績や成果などの表面的な数値だけで判断するのは危険です。グローバル教育に力を入れているか見極める時は、「どうしてその実績が出せたか」や「どのようにして子どもたちの成果を上げているか」など、カリキュラムや内容まで把握することが大切です。
見極めポイント① 英語教育レベルの高さ
英語教育レベルの高さを見極めるには、学校のカリキュラムや教育方針を把握することが大切です。
日本の公立学校であれば、文部科学省の指導要領をベースにカリキュラムや教育方針が作成されています。一方、グローバル教育に力を入れた私立の学校ではIBやWASCなど多種多様な教育システムが導入されています。
文部科学省の指導要項やIBの教育方針を重視しているとは言っても、それぞれの学校における「グローバル教育」の定義が異なることも多々。そのため本質的に英語教育レベルの高さを見極めるには、各学校においてそもそも英語をどのように学び、どんな人材の育成を目指しているのかを把握することが重要です。また英語だけでなく、日本文化やIT教育、起業家教育、海外派遣プログラム、国際コミュニケーション、その他5教科の指導要項を含めた上で、どのような学びが提供されているかを確認すると良いでしょう。
見極めポイント② 留学制度の充実度を
留学制度の充実度を見極めるポイント2つ目は、中学・高校の正規留学として一般的な「3つの留学制度」を把握することです。
3つの留学制度には、「卒業留学」、「スタディアブロード」、「交換留学」があります。各留学制度において留学目的や必要条件、入学期間、留学期間、取得できる資格が異なるので申し込みの際に注意が必要です。
卒業留学は、海外の中学・高校卒業を目的とした留学です。卒業留学の特徴は、国や学びたい分野、期間などを自分で決めて、さまざまな選択肢から選べることです。また留学期間が長いのも特徴で3〜4年程の期間、現地に滞在ができます。
スタディアブロードは、日本の学校に籍を置いたまま、短期間海外の学校に通う留学制度です。期間は、約3ヶ月〜1年間のため卒業留学に比べて、費用を抑えられます。よしかし、留学期間が短いため、現地で取得した単位が認められないことが多いです。
交換留学は、学校間で指定されている海外の姉妹校や交換留学団体や行政の指定学校に中長期間留学する制度です。交換留学で海外の学校に行くには、選考試験に合格したり、規定の成績を修めたりする必要があります。留学期間はプログラムによってさまざまですが、1年間が一般的です。
交換留学は最も一般的な留学制度のため、グローバル教育に力を入れている学校では、多くの交換留学先を保有していることがあります。
留学制度を見極めるには、「これら3つの留学制度をまんべんなく活用できるのか」「交換留学のみなのか」学校の留学制度を細かく知っておくと良いでしょう。
見極めポイント③ 海外大学への進学人数
海外大学への進学人数を見極めるためには、「4年制大学」と「2年制大学」の2つの進学人数を把握することも重要です。
4年生大学は、総合大学とリベラル・アーツ・カレッジ、専門単科大学の3種類に区分されます。4年生大学と言っても、海外大学においてはさまざまな区分があり、レベルや専門性も多種多様です。
2年制大学は、私立大学のジュニアカレッジと公立大学のコミュニティカレッジの2つに分けられます。ジュニアカレッジは一般教養課程を学び、コミュニティカレッジは、地域住民の成人教育を目的に学ぶことが多いです。
海外大学への進学人数を見極めるには、各大学の特徴を理解して、進学したい学校の入学者数を把握することが大切です。とくにアメリカは大学と言っても多種多様で、さまざまな選択肢があります。アメリカの大学への進学を目指している・興味のある大学への進学者数がどれだけいるのか把握しておきましょう。
グローバル教育に力を入れた学校の「入学資格」と「卒業資格」の特徴
グローバル教育に力を入れた学校かどうかは、入学資格と卒業資格においても見極めることができます。各学校が求める人間像や目指している人間像を知ることで、各学校のグローバル教育における方針を理解できるからです。
入学資格と卒業資格はそれぞれ、アドミッションポリシー(admission policy:入学者の受け入れ条件)とディプロマポリシー(diploma policy:卒業するための条件)と記載されていることもあります。中には、英語で記載してている学校もありますので、アドミッションポリシーとディプロマポリシーの用語も覚えておきましょう。
グローバル教育に力を入れている学校の入学資格(アドミッションポリシー)
グローバル教育に力を入れている学校の入学資格には、具体的に以下の文言が記載されています。
求める人物像
- 自ら学ぶ姿勢と探究心がある児童・生徒
- 高いコミュニケーション能力を身につけるために努力をする児童・生徒
- 異なる文化や価値観を尊重し、他者と協働できる児童・生徒
- 母国語だけでなく、英語の基礎学力を有する児童・生徒
学校の教職員と保護者のコミュニケーション
学校の教職員とコミュニケーションを取るにあたって、保護者にも英語力が必要な場合があります。
また、中には入学制度の中に、居住地や保持している資格においても条件を設けている学校があるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
グローバル教育に力を入れている卒業制度(ディプロマポリシー)
グローバル教育に力を入れている学校の卒業資格の特徴には、具体的に以下の文言が記載されています。
- 国際的、歴史的な視野を持って自ら主体的に行動できる児童・生徒
- 「人を育てること」に関心を持ったリーダーシップを備えた児童・生徒
- 他者と協働してよりよいコミュニケーションや社会を創造する意欲がある児童・生徒
卒業資格において、学校が目指している人物像を把握することも重要ですが、「多様な進路や生徒の興味に沿った大学選びが推奨されているのか」もしくは「有名一流大学に特化した卒業資格になっているのか」学校が提供する進路の幅広さや方向性を見ることも大切です。
まとめ
今回の記事では、グローバル教育に力を入れている学校を見極める3つのポイントをご紹介しました。
現代はグローバル教育に力を入れている学校と言っても、さまざまな選択肢があります。グローバル教育を選択肢のひとつとしてお考えの方は、学校の教育理念を十分に把握した上で、子どもの個性に合った選択ができると良いですね。
グローバル教育に力を入れた学校選択に関して、さらに詳しく知りたい方はEdu.torチューターにもご相談可能です。