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【三田国際学園】圧倒的な「グローバル環境」と独自の「コンピテンシー」に注目

今回の学校取材記事では、帰国生に人気の「三田国際学園」へEdu.torスタッフが訪れた際のインタビューをお届けします。副校長先生と教頭先生のお話から、近年ますます注目されている理由が見えてきました。小中学生のお子さんを持つ方に必見の記事です。

——各クラス/コースに特徴を持たせつつ、クラスの枠に捉われない相乗効果を期待しています

インターナショナルクラス/コース(IC)、インターナショナルサイエンスクラス/コース(ISC)、それぞれのクラス/コースにどんなことを期待していますか

インターナショナルクラスは、本校のグローバル教育の根幹を支えるクラス/コースとなります。生徒たちには、帰国子女であってもなくても、自分達のバックグラウンドを誇りに思い、自分らしくいることを期待しています。その結果、多様性を認め合って、学びで多方面に相乗効果が現れると考えています。
また、インターナショナルサイエンスクラス/コースは、国際的な教育と日本的な教育の良さを掛け合わせたハイブリッドなクラス/コースであり、ある意味、本校の教育を象徴するような存在です。文系、理系、国内大学、海外大学、と多様な進路が実現可能であり、様々な道に進んでいくことを期待しています。

各クラス/コースでは、どんな生徒が多いですか

ICは、自分の意見をしっかり言える生徒が多いです。ISCは、オープンで多様な価値観を受け入れることができる生徒が多く、中学2年生からスタートするメディカルサイエンステクノロジークラス/コース(MSTC)には、物事を観察したり、じっくり考えることが好きな生徒が多いです。

高校生になると、どんな生徒が多くなりますか

高校生は社会問題に対して意識の高い生徒が多いです。SDGsについて中学1年生から考えたり、どうやって社会に貢献するかということを繰り返し考えたりする機会を設けています。
また、学校全体で同じビジョンを共有した上で生徒を育て、社会や世界の問題について知るだけでなく、解決策の具現化、アクション化まで考えるようにしています。

 

——多様な価値観を受け入れ、圧倒的なグローバル環境を整えることで、英語レベルは必然的に向上していきます

帰国子女の生徒も多いと思いますが、指導する上でどんなことに気をつけていますか

彼らの持つ「自分らしさ」を失わない環境を整えることです。画一的な価値観を植え付けるのではなく、彼らの持つ多様な価値観を感受した上で、成長を促すようにしています。

帰国子女の生徒に期待することはありますか

多様性をもたらしてくれることです。また、帰国子女の生徒たちにとっても、本校には他校にはない圧倒的なグローバル環境があるといえます。

三田国際学園では、英語が未学習の生徒も帰国子女も英語力を向上させていくスピードが速いように感じます。どのような英語学習をされていますか

英語の授業数は週8〜9コマと多く設定をしていますが、それ以上に英語を学ぶ環境が整っていると思います。まず、専門分野を持つネイティブティーチャーが32人おり、授業だけでなくHRなどから生徒たちに関わっています。
また、インターナショナルクラスの生徒達は、クラスの3分の2が帰国子女の生徒であることや、海外の現地校やインターナショナルスクールのような英語の授業に加え、数学・理科・社会も英語で授業を受けるため、英語のレベルは必然的に上がっていきます。インターナショナルクラスは、日本の教育のいいところとインターナショナルスクールのいいところを掛け合わせたような環境だと思います。英語を話せる日本人教員も多いですし、帰国子女の生徒が学校内で英語を話していることに違和感はありません。
また、インターナショナルサイエンスクラスも3分の1が帰国子女の生徒となります。担任もネイティブティーチャーと日本人教員の二人体制で、学校全体として英語に触れる環境が整っていると思います。

海外大学合格者数も増えています

昨年の卒業生は30名程度が海外大学に進学し、100名程度の合格者数となりました。欧米圏だけでなく、非英語圏にも目を向けています。また、英語が多少できなくても海外に飛び出す方法はあります。実際、一期生の生徒がコミュニティカレッジを卒業してUCバークレーへと進学しました。
それぞれの生徒が行きたい大学に入学できることが成功だと思っているので、彼らが成長できる場で、活躍できることが第一だと考えています。

——変化し続ける世界で求められる「12のコンピテンシー(能力・行動特性)」を身に付け、高めていくことを目指しています

三田国際学園が考えるグローバル教育とは何でしょうか

異文化を理解することは当然のことであり、さらには日本人としてのアイデンティティを理解し、何事にも主体的に取り組むことができるような、グローバルな世界で活躍できる人材を育てていける教育を考えています。
グローバル=英語教育、留学、海外研修といわれることが多く、もちろん本校でも英語には注力していますが、それだけではないと思っています。生徒たちには、不確定な時代を生きていけるために、サイエンスリテラシー、クリエイティブシンキング、思考力も含めたサイエンス・ICTスキルの向上も重視しています。

―社会で活躍できる人材とは、どんな人材だと思いますか

どんな時代になっても、活躍している人に共通するコンピテンシーを、本校では「12のコンピテンシー(能力・行動特性)」を教育目標として掲げて、あらゆる教育のシーンで意識しています。授業はもとより、部活でも、そのスキルを身に付けることができるようにしています。
生徒たちも常にそのコンピテンシーを意識しながら学習に取り組みます。また、保護者にも三者面談や進路ガイダンス、PTAと教員の語る会などを設け、伝えるようにしています。

三田国際学園の12のコンピテンシーとは、「共創」「創造性」「責任感」「リーダーシップ」「探究心」「問題解決能力」「革新性」「コミュニケーション」「異文化理解」「生産性」「率先」「社会参画」

―最後にお伺いします。この中で生徒たちの2つのスキルを伸ばしたいと思ったら何ですか。【①英語力②学力③課題解決力④マルチリンガル⑤海外大進学(志向)⑥主体性/当事者意識】

主体性、課題解決力でしょうか。海外大学への進学は手段であって、押し付けるものではありません。大学入学だけを目指すような視野の狭いものではなく、生きていく上で重要となる、自立的な学習ができるようになってほしいです。

 

取材日/2022年7月5日

対談者/三田国際学園:副校長・広報部長 今井誠先生、教頭・インターナショナル指導部長 楢島知哉先生

取材・構成・文/神戸鉄郎松田裕見Edu.tor編集部

編集/小川のぞみEdu.tor編集部

 

インタビュアー後記

生徒たちへの明確なビジョンを持ち、そこを目指すために先生たちが本気で取り組んでいることが伝わるインタビューでした。また、生徒の成長が嬉しくて仕方ない様子が端々に感じられました。

これからの三田国際学園のチャレンジが楽しみになりました。

 

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