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【富士見丘中学高等学校】グローバル社会を生きる力を育む女子校! アクティブラーニングによる様々な効果とは?

富士見丘中学高等学校」が展開する教育は、「英語でのコミュニケーション」「他者と協働しての課題解決」「ICTを学びに活用すること」「外に向かって挑戦」ができる人の育成です。学校が着目する「グローバル・コンピテンシー」とは何か、学校独自のグローバル教育の中身、最近の生徒たちの変容エピソードなどをEdu.torスタッフが副教頭の佐藤先生に取材しました。中学受験、高校受験、編入試験でグローバルな女子教育校をご検討中の皆様にお伝えしたい内容です。

 

―貴校のグローバル教育とは?その意義とは?

「グローバル・コンピテンシー」に沿った教育を目指しているのが本校の特徴です。1940年の創立から「国際性豊かな若き淑女の育成」を掲げており、「成果を上げる人に共通する行動特性」と訳される「コンピテンシー」という言葉にも注目しているため、キーワードにしています。21世紀社会を生き抜く真のグローバル人材を育成するため、「①豊かな教養」「②柔軟かつ創造的な思考力、判断力、表現力」「③主体性を持って多様な人々と協働する姿勢」「④英語4技能、ICTを活用した高いコミュニケーションスキル」という4つの「グローバル・コンピテンシー」を重視しています。

具体的に取り組んでいることの例をあげますと、中1〜高2まで行う探究学習に「自主研究5×2」というカリキュラムがあり、週末の2日間とことん好きなテーマに向き合うように設定されています。また、高1では慶應大学大学院メディアデザイン研究科と連携し、SDGsをテーマにグローバルな社会課題を探究。高2ではハワイ大学などにアドバイスをもらい、グループでの探究活動や海外フィールドワークやコンテストを行っています。

帰国生が中高で108名(2023年7月時点)、全体の19%在籍していますが、高2にもなると帰国生か一般生か分からないほど英語力が高い生徒が増え、英語での研究発表会に同席する教員も驚くほどです。

 

―貴校ならではの強みは何でしょうか?

まず、教員に「生徒の主体性を高めるように、あたたかい声かけやコミュニケーションの厚さが大切」という意識があることです。生徒が職員室に入りやすく、頻繁に来るような雰囲気も心がけています。

次に授業ですが、主体的に協働的にディスカッションすることに重きを置いています。違った意見の人との対話や、自分で解決策を考えるように設計されています。

英語の4技能教育は、全生徒をレベル別で徹底フォローしており、少なくともネイティブ教員の授業が週に3回はあります。先日、大学で英語科に進んだ卒業生が「高2のときのほうが英語を話していた」と言っていました。英語教育は充実していると思います。

※詳しくはHPの教育の特色↓
https://www.fujimigaoka.ac.jp/education/

 

―どんな生徒さんが多いですか? 保護者からの評判は?

他校と交流するとよく言われるのが「よく質問をする、よく話す積極的な生徒が多い」ということですが、もちろんおとなしい生徒もいます。それぞれに居場所があり、多様性は良いことだと思っています。

保護者からの声としては「手をかけてもらえる」「英語も、英語以外も全般的に手厚い」というものがあります。生徒からは細かく見すぎだと思われているかもしれません。提出物を出さないといつまでも追いかける教員もいますので(笑)。

また、2015年に文科省からスーパーグローバルハイスクール(以下SGH)に指定され、2019年までの開発期間で様々な試みを行いました。われわれ教員が高校の探究の授業で「グローバルステディ基礎・演習」を作ったり、教科横断型の教育を整えたりもしました。それ以降、今日に至るまで生徒も教員も意欲的になった成果でしょうか、大学進学実績も伸びています。2023年は卒業生102名中で、早稲田・上智・東京理科・ICUに32名、GMARCH63名、トップレベルの海外大学に11名合格しました。

中庭にて校舎を背景に。先生からは国際的な女子教育への自信を感じました

 

―貴校の学びを経て、生徒たちはどのように変容していきますか?

英語では顕著に変容が見られます。一般生は入学してからしばらく、ネイティブ教員と会話をすることに壁がある様子がうかがえます。しかし、ネイティブ教員の授業のほかに、オンライン英会話、放課後英会話レッスンなどもあるため、だんだんとその壁がなくなっていくようです。

エッセイの課題を日本人教員とネイティブ教員でダブルチェックをして生徒に返す「週末エッセイラインティング」という取り組みもありますので、だんだんと英語で書くことにも抵抗がなくなるようです。高3の英検取得率は、2級以上が81%、準一級以上が28%と、SGHに指定された2015年以降飛躍的に伸び続けています。

また、帰国生が授業中にプレゼンする姿を見て「あんなふうに英語ができるようになりたい」「海外を経験したいから留学がしたい」と意識が変わる生徒もいます。英語の授業以外はHRも同じで一般生と帰国生は交じり合っていますので、お互いに刺激を受けるようです。

 

 ―SGHのあとはWWL拠点校に選ばれていますが、どのように活用されていますか?

「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」は、2019年度より始まった文部科学省による高校生のための事業です。Society5.0時代に向けて、イノベーティブなグローバル人材を育成するのが目的です。本校はSGH指定校としての活動終了後に、続けて指定されたような流れですが、現在の拠点校は、都内に3校、全国で33校だそうです。SGHのときに、英語やICTを駆使して生徒たちが上げてきた多くの実績が評価に繋がり、拠点校に指定されました。

そのため、SGH指定校として開発した探究学習プログラム「グローバルスタディ基礎」「グローバルスタディ演習」をさらに発展させ、イノベーティブなグローバル人材を育成する教育プログラムを開発していっています。

例えば、「観光立国における海洋リゾート開発と環境汚染を考える人材育成」という研究課題を新たに設定し、先進的なカリキュラムの開発と高度な学びを推進し、国内外のネットワーク=AL(アドバンスト・ラーニング)の構築を行うなどです。

※詳しくはHP↓
https://www.fujimigaoka.ac.jp/about/sgh/

 

取材日/2023年8月31日

対談者/富士見丘中学高等学校:副教頭 広報責任者 佐藤一成 先生 

取材/神戸鉄郎小川のぞみEdu.tor編集部

文/小川のぞみEdu.tor編集部

 

編集後記(神戸)

富士見丘中学高等学校は、創立83年をえる、歴史ある女子校です。京王線塚駅から徒5分ほどの立にあります。とても丁寧に一人とりの女子生徒を見てくれる学校であると、感じました。「女子教育は手をかけていかないと。あたたかい声かけやコミュニケーションの厚さが大切」と佐藤先生の言葉に共しました。英語教育において、エッイライティングの課題を本人教員とイティブ教員でブルチェックをして生徒にす取り組みはまさしく手をかけているます。笹塚から、羽ばたく生徒たちに注目です!

 

 

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